丸山正樹医師

 今回は、「皮膚が黄色い」状態についての診方(診察の視点)です。

 われわれの体内では、古くなった赤血球は脾臓(ひぞう)で壊され「ビリルビン」という黄色い色素が血液中に放出されます。そして、肝臓に運ばれたビリルビンは、水に溶けやすい状態に処理されたのち、胆汁に溶け込み十二指腸へ排出されます。この一連の体内の正常な流れのどこかに障害が生じるとビリルビンの血中濃度が上昇し、皮膚が黄色くなる「黄疸(おうだん)」という症状が出ます。その障害部位により、黄疸の原因は大きく三つに分けることができます。

【1、ビリルビンが肝臓に入る前の障害】

 赤血球が病的に壊されてビリルビンが大量に血中へ放出されて黄疸を生じる...

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