
昭和の渋い雰囲気が残る越後岩沢駅の木造駅舎=小千谷市岩沢
2025年は、1926年の昭和元年から数えて「昭和100年」に当たる。昭和の風景や空間が、令和のいま、「昭和レトロ」な空間として注目されている。
カンカンカンカン。警告音とともに1両編成のワンマン列車が、ホームにゆっくりと滑り込む。制服姿の生徒が1人下車し、改札のない駅舎を後にした。JR飯山線の越後岩沢駅(新潟県小千谷市)は一見ごく普通の無人駅だが、駅舎はどこか味わい深く、静かな空気に包まれている。
岩沢駅は、1927(昭和2)年の開業から一度も建て替えられずに、木造の駅舎が今も残る。ホームに掛かる屋根の柱は、木目にぬくもりが感じられ、複雑に作り込まれた梁(はり)が、昔ながらの三角屋根を支え...
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