自身が企画したイベントで調理を手伝う澤田明歩さん(右)=長岡市美沢3
自身が企画したイベントで調理を手伝う澤田明歩さん(右)=長岡市美沢3

 高校生が自ら企画、運営する地域イベントが新潟県長岡市内で増えている。内容やテーマはさまざまだが、背景を探ると、高校生のやる気と行動力、行政・団体の仕掛け、学校の教育が相まってイベントに至る流れが見える。地域に活力をもたらす継続的な動きとなるか、注目される。(長岡支社・石井英明)

 1月中旬、長岡市美沢3のなじら〜て東店で、長岡向陵高校2年の澤田明歩さん(16)が長岡野菜の調理イベントを開いた。参加した親子連れ4組に、市内の農家が生産した里芋と白雪こかぶを紹介。参加者はポタージュスープとパンケーキを作った。

 企画から野菜の調達、講師の依頼、経費の支払いも澤田さんが担った。参加した女の子が「めっちゃおいしかった。長岡野菜にたくさん種類があることが分かった」と話すのを聞くと、三角巾にエプロン姿の澤田さんは「達成感があります」と笑った。

▽挑戦支える補助制度

 この活動を裏で支えたのが、産官学でつくる「ながおか・若者・しごと機構」の職員だ。機構は2024年度、市の予算を基に補助制度をつくり、生徒・学生による地域活動を促そうと図っている。

 補助額は1件5万円。若者向けの既存の制度と違って金額は少ないが、...

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