
イラスト=デジタル・グラフィックスセンター 高橋佐紀
「よくかんで食べなさい」-。子どもの頃に言われた人もいるのではないでしょうか。子どもが軟らかい食べ物ばかりを好きになり困るといった声も聞かれます。よくかむことは、なぜ大事なのでしょうか。「咀嚼(そしゃく)」の専門家に説明してもらいました。
Q よくかむことのメリットは何ですか。
A 顎の骨を発達させ、歯が生えるスペースをつくるので良い歯並びの形成につながります。顔面の筋肉、表情筋も鍛えられるので、口元をきちんと閉められるようになり、こぼさずに食べられるようになります。
Q 習慣づけは必要でしょうか。
A しっかりかむことで、安全に食べて栄養を取ること、味わうことを楽しむことができます。中高生の期間で歯並びが形成されると、個人の「かみ癖」が定着します。十分かまずに飲み込む状態だと、「早食い」「大食い」の傾向が進みます。満腹を感じにくくなり、肥満やメタボにつながります。生涯の健康維持のためにも、子どもの頃からよくかむ習慣を付けることは大事です。
Q いつからよくかんで食べることを意識すればいいですか。
A 乳歯の奥歯が生え、かむ条件がそろった頃から心掛けてください。前歯が生えた頃に無理をして硬い物を与えるのは危険です。
Q かむ力を鍛えるには具体的にどうすればいいですか。
A 1食1品でいいので、かみ応えのある食べ物を意識してメニューを考えてください。インターネットにかみ応えがある食べ物の早見表が掲載されているので、参考にしてもいいでしょう。
(新潟大大学院医歯学総合研究科の小野高裕教授に聞きました)
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