くすぶる「政治とカネ」　持論封印、見えぬ指導力

　石破茂首相が苦境を抜け出せないでいる。「政治とカネ」問題を巡り、自民党派閥裏金事件の実態解明が進まず、自身による自民衆院１期生への商品券配布問題も発覚し火種がくすぶる。２０２４年の総裁選で選択的夫婦別姓制度導入や日米地位協定改定などを訴えたが、就任後は持論を封印したままだ。山積する課題に指導力を発揮する姿も見えない。参院選では首相の政治姿勢も問われる。

　▽恨み節

　「精神的にも体力的にもくたびれた。少数与党で何とか走り続けてきたという感じだ」。首相は２０２４年１０月からの政権運営を振り返り、周囲に吐露した。

　国会では岸田前政権時代に続き、裏金事件や政治改革を巡る論戦が繰り広げられた。旧安倍派の...