取材に応じる坂野水咲さん。奥はパートナーの男性
 取材に応じる坂野水咲さん。奥はパートナーの男性
 坂野水咲さん(左)とパートナーの男性
 坂野水咲さん(手前)とパートナーの男性
 夫婦別姓を巡る各党の立場

 選択的夫婦別姓は28年ぶりに関連法案が国会で審議入りしたものの、参院選を挟んで継続審議となった。自民党では推進派と保守派で意見が割れ、野党3党も個別に法案を提出、成立は見通せない。「望む形の結婚はいつできるのか」。しびれを切らす当事者は実現に向けた論戦を期待する。

 ▽中ぶらりん

 「政局に利用されているだけではないか。当事者に寄り添ってほしい」。京都大大学院生の坂野水咲さん(25)=神戸市=が憤る。高校時代に出会った同い年のパートナーとは交際8年を超えた。別姓婚を望むが「中ぶらりん」の状態が続く。

 かつては漠然と「女性の自分が改姓するもの」と思っていた。考えが変わったのは2023年に歴史学の博...

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