マダガスカルの首都アンタナナリボの縫製工場で取材に応じるランディアナスル・アンザラマララさん=6月17日(中野智明氏撮影・共同)
 マダガスカルの首都アンタナナリボの縫製工場で取材に応じるランディアナスル・アンザラマララさん=6月17日(中野智明氏撮影・共同)
 マダガスカルの首都アンタナナリボの縫製工場でミシンを操作する従業員ら=6月17日(中野智明氏撮影・共同)
 マダガスカルの首都アンタナナリボの縫製工場で作業する従業員と米国向けの段ボール箱=6月17日(共同)
 米国向けの製品が詰められた段ボール箱と、作業する従業員=6月17日、マダガスカル・アンタナナリボ(共同)
 マダガスカルの首都アンタナナリボの縫製工場でミシンを操作する従業員ら=6月17日(中野智明氏撮影・共同)

 トランプ米政権が打ち出した「相互関税」に、アフリカの島国マダガスカルが揺れている。米国は国内総生産(GDP)の約2割を占める繊維産業の主要輸出先である生命線。関税上乗せ分の一時停止期限となる9日が迫る中、世界有数の高税率47%の軽減に向けた政府間交渉は停滞し、業界関係者からは「約6万人が職を失いかねない」と不安の声が上がる。

 カタカタカタカタ―。首都アンタナナリボにある縫製工場を6月中旬に訪れると、整然と並べられた約1900台のミシンが音を響かせ、従業員が一心不乱に上着やズボンを縫い合わせていた。

 「4月に税率を聞いて以降、工場は不安に包まれている」。幹部のランディアナスル・アンザラマララさ...

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