
小沢仁志さん。「役者の『存在感』は、教えてもらって出せるもんじゃない。長いこと闘い続けた結果、まとっているもの」
「顔面凶器」「Vシネマの帝王」…。数々のいかつい異名で知られる俳優の小沢仁志さんが、初の単著「波乱を愛す」(KADOKAWA)を刊行した。そこにつづられたのは、ヒリヒリとした現場を求めて、わが道を走り続けてきた軌跡だ。「スターにはなれない」と悟った、若き日の挫折も赤裸々に語られている。
追い求めてきたのは、体を張ったアクション俳優の道。60歳を越えても、現役バリバリで100人を相手に肉弾戦を披露する。そんな彼が「ライバル」だと断言するのは、同い年だというハリウッドスター、トム・クルーズ。そこには「体を張り続ける」ことに対する敬意と熱い対抗心があった。(共同通信=平川翔)
▽鼻を折られて天狗に...
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