子育ての悩みを1人で抱え込まず相談を―。核家族化が進む中、育児について地域や専門機関、団体などによる家族以外のサポートが注目されています。子育てのスキルやノウハウを教わったり、悩みを打ち明けたりして育児の喜びを感じることはとても大切です。県内にあるさまざまな子育て支援団体の活動を紹介します。

子どもと一緒にゆったりと一息つけるママたちの居場所「ママカフェ」
村上市にある特定非営利法人「村上ohanaネット」は、子育てに関わるすべての人々を応援するための親子イベントや講演会、託児サービス、悩み相談などの活動を行っています。
団体名の「ohana」は、ハワイ語で家族や深い絆で結ばれた人々を表します。理事長の渡辺ひろみさんは「家族だけでなく、地域住民や団体のスタッフとも、まるで家族のようにつながって、支え合い、花のように輝いてほしいとの願いを込めました」と村上ohanaネットの名称について説明しています。

村上Ohanaネットの渡辺ひろみ理事長
主な活動内容は、子どもと一緒にゆったりと一息ついたり、ママたちの居場所となる「ママカフェ」や「オハナ広場」を開催したりしています。ママカフェは子どもを連れて気軽に利用できる交流の場です。妊娠中の人や、これからママになりたい女性をはじめ、「先輩ママ」にあたる世代の方の参加も大歓迎。リフレッシュやママ友づくり、子育ての不安や悩みを相談したい人など参加理由はなんでもOK。気軽に利用してほしいと呼び掛けています。
パパの笑顔もはじける
父親向け講座やサークルも開催

子育てに頑張るパパをサポートする「村上パパスクール」
父親向けの講座やサークルもあります。夫婦共働き世帯が増える中、仕事と家事・育児に頑張るパパから笑顔が消えないように、という思いから立ち上げました。「村上パパスクール」では親子でスポーツや料理などの講座を楽しみ、パパ同士の交流を通じて、子育ての学びの時間やパパ同士のつながりづくりができることを目指しています。これまでに、ピザ作りやクリスマスリース作り、親子でマッサージやタッチングを楽しむ親子整体などの活動も行ってきました。メインの活動後に、子育てに関するミニ講座も開き、学びの時間も用意しています。パパ同士の意見交換や、交流を通じてほっとする関係づくりをしているそうです。
村上Ohanaネットでは有償ボランティアメンバーでつくる「子守りし隊」による託児サービスも提供しています。託児についての基礎知識、緊急時の対応を学んだ人が託児活動に参加しています。美容院に行ったり、たまには子どもと離れてランチしてきたりと、ママのリフレッシュ目的などの利用もOKです。故郷に帰省した村上市外の人の利用も可能です。
そのほか中学校を中心とする制服のリユースや、子供服や子育て用品のリユース、フードドライブ、生理用品の配布なども行い、地域の親子を支援しています。
渡辺理事長は「子育てで子どもと過ごす時間は、すばらしい経験と喜びを与えてくれ、親自身の成長ももたらしてくれます。その一方で『子育てはまるで修行だ』と話すママもいて、焦りや孤独感を感じる人も多いです。そこを支える人が地域に一人でもいるだけで、焦りや孤独が軽減し、安心の中での子育てにつながるはずです。気軽にサービスを利用してもらい、いきいきと子育てを楽しんでほしい」と話していました。
https://murakami-ohana.com/