
地震で被害が出た下水管の応急措置として道路上に渡された仮設ホース=18日、新潟市西区鳥原
能登半島地震を受け、新潟市で下水管が損傷するなどし、トイレの水が流れにくくなるといった不具合が続いている。新潟市には1月18日までに、西区からを中心に約430件の問い合わせが寄せられ、市民は早期復旧を求めている。被害は市が管理する下水管だけでなく、一般住宅の地下でも多数あるとみられ、市が確認と対応を進めている。
液状化現象が多発した西区鳥原の男性(69)は地震発生翌日の1月2日、異変に気付いた。断水が解消され「風呂に入れる」と喜んだが、トイレも含め、なかなか排水しなかった。自宅の下水管に土砂が入ったほか、市管理の下水管が流れない状態になったためで、敷地内に排水が一部あふれた。
液状化で傾いた自宅で生活を続けるが、トイレは町内の公民館を借りている。風呂は排水を少なくするため4日ほど水を換えず、洗濯物もため込んだ。
今週に入り、自宅前で地下1〜2メートルにある市管理の下水管工事が始まった。数十メートル離れた所にも破損箇所があり、道路上に渡した仮設ホースで管をつなぐ応急措置がとられた。ただ、男性宅では依然トイレの使えない状態で「仕方ない。家に住めず、もっと大変な思いをしている人もいる」と我慢を続けている。
新潟市下水道管理センターによると、1月18日までの問い合わせ約430件のうち約8割が西区からで、中央区や江南区からも連絡がある。最近も1日十数件に上ることがあるという。
市は液状化やマンホールの隆起が起きた地点を中心に、...
残り375文字(全文:994文字)