
震災後、転居者や更地が増えていると語る寺尾朝日通自治会副会長の坂本満さん=新潟市西区寺尾朝日通
2024年1月に発生した能登半島地震2024年1月1日午後4時10分ごろに発生した石川県能登地方を震源とする地震。逆断層型で、マグニチュード(M)7.6と推定される。石川県輪島市と志賀町で震度7を記録し、北海道から九州にかけて揺れを観測した。気象庁は大津波警報を発表し、沿岸部に津波が襲来した。後、2回目の発表となった基準地価。液状化水分を多く含んだ砂質の地盤が、地震による強い揺れで液体のように流動化する現象。地表に水や砂が噴出したり、地盤が沈下したりする。土管やマンホールが浮き上がることもある。埋め立て地や干拓地など、緩い砂質で地下水位が高い場所で起こりやすい。条件を満たせば内陸でも発生する。1964年の新潟地震では橋や鉄筋コンクリートの建物といった大型構造物が崩れ、対策工法の開発が進むきっかけになった。阪神大震災や東日本大震災でも発生した。被害のあった新潟市西区の住宅地では地価の下落地点は減ったものの、被害の大きかった寺尾、善久地区は下げ止まらなかった。これらの地域では需要の減退により不動産取引が停滞しており、地震の爪痕が尾を引いている。
「ここには家があって、こっちはアパートだった。この通り沿いだけでも更地になった場所が多くある」。新潟市西区の寺尾朝日通自治会で副会長を務める坂本満さん(71)は、液状化被害で建物の解体が進んだ県道沿いを眺めながら、寂しげに話した。
能登半島地震から1年半以上が経過し、坂本さんの自宅周辺では、亀裂した道路の舗装など復旧工事が一定程度進んできた。それでも地域を離れた住民もおり、地震前は住みやすく人気だった住宅街は様変わりした。
基準地価で、新潟市西区の住宅地は...
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