H3ロケット1号機の失敗で失われた地球観測衛星「だいち3号」のイメージ(JAXA提供)
H3ロケット1号機の失敗で失われた地球観測衛星「だいち3号」のイメージ(JAXA提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2023年3月に1号機の打ち上げに失敗した国産新型ロケット「H3」 H3ロケット 日本の新しい大型ロケットで、柔軟性、高信頼性、低価格の要素を兼ね備えた使いやすさを目指している。1段目の主エンジンには、新たに開発した「LE-9」を採用。機体全体も大型化し、現在主力のH2Aよりも、大きく、重い衛星を打ち上げられる。市販品の利用や3Dプリンターを用いた部品製造、小型ロケット「イプシロン」と技術や部品を共通化することで、徹底した低コスト化を図る。名前の「H」は燃料に使う水素の元素記号に由来する。の2号機を、2月15日にも種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げる。H3ロケット1号機の打ち上げ失敗では、搭載していた地球観測衛星「だいち3号」も失われた。防災や災害対策に役立てる衛星の利用計画は変更され、H3の2号機以降で探査機を打ち上げる火星や月の探査にも遅れが生じた。2号機が失敗すれば、日本の宇宙開発計画は停滞しかねない。

 だいち3号は宇宙から地表を観測し、被災状況の早期把握などに役立てる目的だった。23年3月に打ち上げられていれば、能登半島地震での活躍も期待できた。頻繁に自然災害...

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