身近なもの 繊細な線で

 「堀研一作品展-フォルム(形態)への対峙(たいじ)-」が、弥彦の丘美術館で開催されている。堀さんと言えば、ピエロの絵と即答する人が多いだろう。日展、光風会、県展、芸展など公募展に出品する油彩の大作には、ピエロと大きな革製のカバンやトルソ、古い道具などをあしらった絵が思い浮かぶ。

 この展覧会では、水彩画の8号以下の小品三十数点が展示される。そこに描かれているのは身近な草花、暮らしの道具、故郷の風景など、どこにでもあるフォルムである。繊細なためらいのない線の運びと水彩画特有の軟らかい色使い、その絵には作家の優しい眼差(まなざ)しを通して表現される形が描き出されている。

 堀さんは燕市在住で、子供の...

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