生命の根源を感じさせ
小林古径記念美術館では、上越市出身の日本画家、柴田長俊(ながとし)の芸術を所蔵品で紹介する「祈りの心象 柴田長俊展」を開催している。
柴田は1949(昭和24)年、上越市西城町に生まれ、高校生の頃から柳田国男を耽読(たんどく)して民俗学に興味をもち、大学生の時にはインドやネパール、イラクを訪れてその土地に根付く人々の生と死に関する信仰や祈りの姿を取材した。その姿を描きたいと思い立ち、多摩美術大大学院へ進んで日本画を学んだ。大学院修了と同時に創画展で初入選、加えて創画会賞を受賞し、以降、創画会を中心に作品を発表した。人間の生と死、「巡礼の道」と題した中世ヨーロッパの祈りの姿、生まれ育った上越の...
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