人とペットめぐる世相

 江戸時代、庶民の間にも労働を支えた馬や牛だけでなく、ペットとして動物を飼い、かわいらしい猫や犬に癒やしを求める文化が広まりました。本展では国際浮世絵学会常任理事の中右瑛(なかう・えい)氏が所蔵する浮世絵「中右コレクション」の中から、動物たちが登場する浮世絵およそ130点を展示し、人々が動物をどのように捉えていたのか、人と動物をめぐってどのような世相があったのかを紹介します。

 江戸時代から明治・大正時代にかけて、「浮世」つまりその時の風俗や流行、話題を描いた「浮世絵」が盛んに作られました。特に木版画で作られた浮世絵は、重ね刷りの技法により豊かな色彩が与えられ、かつ、安く大量に作ることが可能にな...

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