伝統技法と新たな試み
第110回記念光風会展新潟巡回展が6月8日から開催される。光風会は1912(明治45)年に旧白馬会の主力7人により発足した。
穏健な写実的作風を主流とする日展の有力な支持団体である。新潟では5年ぶりとなる巡回展で、役員と受賞者の絵画66点、工芸22点と、光風会新潟の会員や会友らの作品を合わせ123点が展示される。
巡回作品では、藤森兼明理事長の「ポンペイ マルクス邸へのオマージュ」は気高さを感ずる作品である。顧問の寺坂公雄の「杜の朝立つ霞」は、高原の朝の静けさを伝える。
新潟の役員では、堀研一理事が「型それぞれ」で、異なる型の形状と質感を描いている。評議員の山田一郎の「春陽」は、春の訪れを待...
残り839文字(全文:1139文字)