佐渡の文化 自然を表現

 人間国宝の佐渡市の陶芸家伊藤赤水さんが、長男の栄傑(ひでたけ)さんに6代赤水を譲り、新たに「伊藤赤儘(せきじん)」を名乗り、「我が儘(まま)」に、これまでの形や枠を取り払った作陶に取り組むことになった。

 赤儘さんは、佐渡の無名異焼の伝統を守りながら、さまざまな茶器や工芸品を作り続けてきた。朱泥に黒を混ぜた「窯変(ようへん)」、異なる色の土を練り込み花や波形の文様を浮かび上がらせる「練上(ねりあげ)」、それに、佐渡金山などで産出する岩石を使って、あえて表面を凹凸に仕上げたり、くぼみやザラメ状の表面を作り出したりする「佐渡ケ島」の技法を特徴としている。

 陶芸家伊藤家の歴史は古い。佐渡金山が開山し...

残り818文字(全文:1118文字)