究極まで磨き上げた美

 1924(大正13)年の大みそか、近代日本画の巨匠富岡鉄斎(1837年生まれ)が没して今年は100年にあたる。これを記念し、新潟市會津八一記念館では「鉄斎・八一の文人世界」を開催している。

 「文人」とは学問に携わり、書や画など広く芸術を趣味とする文化人のことをいう。

 鉄斎は、画家であり、書が巧みな漢学者として生活を送った。一方、會津八一(1881〜1956年)は歌人であり、書家であり、美術史学者でもあった。このように多方面で大きな足跡を残した2人は、近・現代を代表する「文人」として高く評価されている。そこで本展では両巨匠の作品を一堂に展観し、2人が何を考え、どのような芸術を生み出したのか、創...

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