独自の歴史、文化を形成

 佐渡島は1876(明治9)年に新潟県に統合される以前は、佐渡県(相川県)として独立した県であった。その前身は江戸幕府直轄地で佐渡奉行の支配下にあり、越後国の各藩とは異なる支配体制であった。そもそも、佐渡島は奈良時代以来、一時期を除いて一島一国の体制を維持し続けてきた歴史が背景にある。このため、現在では同じ新潟県に属するものの本州側とは異なった歴史や文化を紡いできたことを忘れてはならない。

 江戸時代、佐渡島が幕府直轄であったのは言うまでもなく金銀山の存在が最大の理由である。佐渡島で産出された莫大(ばくだい)な金銀は文字通り、幕府の財政を支えるものであった。また、江戸時代における佐渡の金生産の技...

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