若手の真摯な取り組み

 雪梁舎フィレンツェ賞展は回を重ね、26回目の開催となった。このたびの出品数は232点、前回に比べ80点の増加で、新型コロナウイルス禍を抜けて再び制作活動に励む人が増えていることを喜ばしく思っている。

 知られるように、この公募展は若手作家の発掘を目的とし50歳以下の人を対象とするので、今後を担う若手作家の作品を通じて日本美術を展望できるというのが最大の特徴となろう。さらに言えば、第1席のフィレンツェ大賞、2席の美術アカデミア賞の受賞者には、フィレンツェでの制作が支援されることから、自身の飛躍につなげたい描き手がこぞって応募するのがこの展覧会なのである。

 審査は、雪梁舎美術館に展示可能な40点を...

残り823文字(全文:1123文字)