消えゆく景色 巡り描き
魚沼市在住の画家、早津剛(はやつ・つよし)が1970年代から全国を巡り描いてきた作品は1000点を超える。本展では、県内の茅葺(かやぶ)きの家や町家、風景を描いた作品44点を展示する。
早津は仕事が終わると、自動車に油絵の具とカンバス、イーゼルを積み込んで、茅葺きの家を訪ねていく。持参する巨大な県地図の上にはたくさんの印が付いている。その印はこれまで現地制作をした場所である。現場がどのような気象条件でも半日で油彩を描き上げる。年々姿を消していく茅葺き屋根の家、その歴史的価値あるものを描き伝えようと、時に豪雪の中を、また炎天下の中をその場所に立ち、描くことにこだわってきた。風に舞う洗濯物や炊事...
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