日本美術のため切磋琢磨

 日本美術院は1914(大正3)年に再興され、110年がたつ。来年には再興110回院展が開かれる。院生それぞれ初心に戻って日本美術のために切磋琢磨(せっさたくま)していきたいものである。春の院展も第79回を迎えた。これも皆々様のご支援によるもので、ありがたいことと思っている。

 第79回春の院展新潟展は9月4日から10日まで、新潟伊勢丹にて開催される。まず山本浩之同人「縺(もつ)れ」を紹介したい。白い衣服の若人の浅春の一刻を描いた作品で、無彩色に近い画面の中で芽吹き前の木蓮(もくれん)の枝を見ているのか、触っているのか不思議な感じの作品である。見る人を引きつける。

 筑波大の教員として次代の人々を...

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