人の生と躍動を視覚化

 新潟市豊栄地区公民館の主催による星野健司彫刻展が北区役所の交流スペースで開かれている。

 1951年、西蒲巻町(現新潟市西蒲区)に生まれ、多摩美術大学と大学院で彫刻を学んだ星野は、主に工業資材の鉄やステンレスの板材などを切断して研削し溶接し、鍛造という、たたいて成形する方法で制作している。

 幾何学的な抽象彫刻に取り組んだ後、星野はこの不自由な成形手段で、卵や心臓といった丸みのある有機的な形態の表現を試みた。そして90年代に、オートバイとライダーのテーマで制作を開始した。今回の展示はこの連作を中心に構成されている。

 ライダーは、神話や伝説に登場する超人的な人物類型とされるトリックスター。善と悪、...

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