
新潟県内企業で世代交代や代替わりが相次いでいる。先代の流儀を踏襲しつつも、若い感性で時代を見つめ、新たな領域にチャレンジし、県内経済に新風を吹き込む。他社などでの修業時代に何を学び、経営者として今、どのようにビジネスを展開しているのか。若きトップたちの視座を探った。(8回続きの2)
リユース業のハードオフコーポレーション(新発田市)は2019年、創業者で現会長の山本善政氏(76)から引き継ぎ、長男の太郎氏(43)が社長に就任した。近年ではアウトドア関連など専門店型の出店も進め、28年連続の増収を確保している。1000店体制への到達を目前にし、太郎氏は「国内に加え、グローバル展開を進めてさらに上を目指す」と意気込む。
17年、米国1号店をハワイ・ホノルルに開店し、現地子会社の社長として事業を主導した。しかし「初めはなかなかうまくいかなかった。ガムをかみながらレジを打つ人や、暇さえあればスマートフォンを見る人もいる状況だった」。現地の文化に合わせようと意識したため、従業員の教育に苦労していた。
そこで朝礼を徹底し経営理念の唱和も行うようにすると、次第に規律が整い運営がうまく回り出した。ハードオフの経営理念は「社会のためになるか」で始まる4項目が優先順位をつけて並ぶ。「日本で培ったハードオフのDNAが大事だ」と確信した。
そうした考えの根底には、05年に入社した、ユニクロを展開するファーストリテイリング(山口市)での経験がある。「父から継げとはあまり言われなかった」とするが、ハードオフで生かせる知識やノウハウを求めて門戸をたたいた。数日間の入社研修は、ほとんどが経営理念の話で「世界中のスタッフが同じ理念の下で働くのがユニクロの強さだ」と知ることになる。

金沢市などのユニクロ店舗に勤め、...