可愛く詳細 花や神仏と
粛粲寶(しゅくさんぽう)は新潟市中央区西堀出身の日本画家で、若くして上京し、中年以降に花開いた。生誕の地である新潟に作品が多く残され、所蔵しているNSG美術館では継続して公開している。
粛粲寶の主たる画題は花鳥風月、人物画、仏画、静物画などである。
今回の展覧会のテーマは「鳥」。粛粲寶は鶴や山鳩(やまばと)、カササギ、ツバメ、カワセミなど多くの鳥を描いた。鳥の目は丸くその縁をぐるりと小さな小円の粒で囲ってあり、描かれた鳥はどれも可愛(かわい)らしく愛嬌(あいきょう)がある。おのおのの鳥の詳細な特徴を観察し、羽根の付き具合、大きさや小ささ、背や腹によって異なる色合い、爪の形状などをきちんと描い...
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