国や時代超え表現豊か

 小林古径記念美術館では、所蔵品の中から「花」をテーマにした作品を展示するコレクション展「花にまつわる物語」を開催しています。

 四季折々に咲き誇る「花」は、古くから人々に愛されてきました。芸術家たちにも「花」は魅力的なモチーフとして捉えられ、時代や国を超えて多くの芸術作品の題材となっています。絵画・版画・彫刻といった技法の違いをはじめ、その表現方法は多様です。

 斎藤俊雄は六曲一隻の屛風(びょうぶ)一面に、油絵で南国のジャングルのような風景を描きました。屛風の前に立つと密林の中に迷い込んだような感覚に陥り、大胆な形と色の花々は見る者を圧倒します。安田靫彦(ゆきひこ)「紅花青花」は、染付(青花)の...

残り923文字(全文:1223文字)