新潟県が育成を進めている高温に強い「極早生(ごくわせ)米」について、2026年産からの一般栽培と販売を予定していることが2月19日、分かった。8月中に収穫ができ、農業者はコシヒカリなどと作期を分散できる。県は主力品種の一つに育て、農業者の経営安定化につなげたい考えだ。

 近年は猛暑が常態化しつつあり、23年の県産米は1等比率が大幅に低下するなど影響が出ている。県は収穫時期の異なる高温に強い品種のラインアップ化を進めている。17年にデビューした新之助は晩生(おくて)で、23年に開発に着手した高温耐性コシヒカリBLは中生(なかて)の品種だ。

 高温耐性の極早生米は、コメの品種開発に取り組む県農業総合研究所作物研究センター(長岡市)が、09年に人工交配した候補の中から優れた系統を選抜してきた。県内での栽培試験などを経て一般栽培のめどが立った。

 食味はこしいぶき並みに優れ、高温耐性は新之助並みの「強」、草丈が短く倒伏に対しては「やや強」と評価されている。コシヒカリや新之助と収穫時期が重ならず、農業者にとっては労力の分散や、気象によるリスク低減が期待できる。

 県農業総合研究所作物研究センター育種科の岩津雅和科長...

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