
発がん性が懸念される有機フッ素化合物(PFAS)を巡り、阿賀野川上流域にある福島県会津若松市の工業団地の排水路から、2023年に国の「暫定目標値」の440倍に当たるPFASが検出されていたことが2月22日までに分かった。現在は改善されているという。新潟県内では20〜24年度、阿賀野川を水源とする水道水などから目標値を下回るPFASを検出。因果関係は明らかになっていないが、専門家は「排水が影響している可能性がある」と指摘、広域的な対策や継続的な監視の重要性を訴える。
2024年11月に公表された国による初の水道事業の大規模調査で、新潟県内では新潟市水道局、阿賀野市上下水道局、新潟東港地域水道用水供給企業団、長岡市の川口中央簡易水道=表参照=でPFASが検出された。暫定目標値の1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)は、いずれも下回っている。
川口中央簡易水道を除く3事業は阿賀野川などを水源とする。新潟市水道局は他の水系では確認されなかったが、阿賀野川を水源とする浄水場で2020年度に最大1リットル当たり8ナノグラム、21年度に5ナノグラムが検出された。
排出源を探るため、市は2022年秋から阿賀野川上流に向かって県内外の数十カ所の水質を調査。福島県内の上流域にある支川から目標値を上回る値が一定期間検出されたため、23年秋に県を通じ福島県に情報提供した。福島県は23年12月、会津若松市にある半導体基板製造の工場を排出源として、...
残り1532文字(全文:2160文字)