
県外から新潟市を訪れた観光客が、市内の飲食店や居酒屋をあまり利用していないとみられることが、市の調査で分かった。とりわけ、アイドルのコンサートやスポーツイベントなど、いわゆる「推し活」で来訪する人にその傾向が顕著と判明。市は4月スタートの観光アクションプランに対策を盛り込み、「推し活の前後には市内でぜひ飲食を」との発信を強化する。
アクションプランの対象期間は、4月から2027年3月までの2年間。総合計画より短期間の施策をまとめた。ウイルス禍による観光需要の落ち込みやその後の急回復、「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録など激変する状況に対応するため、今回初めて策定。関係者の会議を経て、随時内容を変更する。
市は23年6月から1年間、キャッシュレス決済やスマートフォンの位置情報といったビッグデータを活用し、観光客をはじめとした県外から訪れる人の消費行動を分析。観光客が多く東北地方に実在する市を「A市」、北陸地方の市を「B市」とし、新潟市と傾向を比較した。
その結果、国内から来訪した1人当たりの利用金額は、A市が1万7469円、B市が1万3550円だったのに対し、新潟市は1万1147円にとどまり、A市とは6千円以上の開きがあった。また、新潟市内の飲食店や居酒屋を利用した人の割合は5・9%。A市の14・1%、B市の10%と比べ低かった。
アクションプランでは、市の魅力として食や酒を打ち出しているにもかかわらず、結果に反映されていない現状を重視。ターゲットを絞って誘客に注力することにした。
調査結果によると、「推し活」で訪れる層は30代以下が多く、再訪率が高い一方、飲食店や居酒屋を利用する人が少なく、利用金額が低いことが分かった。
市内の朱鷺メッセやデンカビッグスワンスタジアムなどでは例年、大規模なイベントが幾つも行われる。市は、飲食店の団体と連携して催事情報を共有する仕組みづくりを目指す。飲食店が出演者にちなんだメニューやサービスを取り入れるなどし、「店の前を通過していた」(市観光政策課)人を引きつける狙いだ。
実際に来訪した人が交流サイト(SNS)に投稿した内容で、食や酒の魅力が拡散され、推し活仲間の来訪を促す好循環にも期待する。
市観光政策課の明間研課長は「ファンに響くことをやれば、...