
コメ価格の高騰に消費者が苦しむ中、「買ったことがない」などの失言で農相が交代する事態となった。知人や親戚らから無償または安く入手するコメは「縁故米」と呼ばれる。現状を探ろうと新潟日報社は27日までに読者アンケートを行い、生産者にも取材。コメどころの新潟県では縁故米を入手する割合が全国に比べ高く、最近は引き合いが強まっている状況が浮かび上がった。
アンケートでは、米価高騰が続く現在のコメの入手先を尋ね、252人から回答を得た。
購入先(複数回答)で最も多かったのは、スーパーやドラッグストアなど小売店の42・1%(106人)で、縁故米は32・9%(83人)だった。農家直売は19・8%(50人)、産地直売所が10・3%(26人)と続いた。
全国の消費者はどうか。公益社団法人「米穀安定供給確保支援機構」が今年3月に実施した全国調査(1384世帯、複数回答)によると、最多はスーパーで49・3%、次いで縁故米に当たる「家族・知人などから無償で入手」の13・3%だった。生産者からの直接購入は5・2%で6番目だった。
質問項目などが違うため両調査の単純比較はできないが、新潟県は全国に比べて縁故米を入手する割合が高いことがうかがえる。
県内では現在、縁故米や農家直売の需要が高まっているようだ。
アンケートで「縁故米」「農家直売」と回答した新潟市中央区の主婦(69)は、縁故米は関川村の親戚から譲り受けていた。ところが「4月から分けてもらえなくなった」と話す。コメ不足の影響からか、親戚が購入していた店が販売しなくなったためという。
新潟県は農家から直接購入する割合も高い。「農家から1年分の玄米を購入し、県内や東京に住む親族に送っている」と新潟市中央区の女性(71)。受け取る側にとっては縁故米となるもので、縁故米の流れの一端もうかがえた。
また、新潟市西区の会社経営の男性(59)は「農家直売」「その他」と回答。北区の農家に頼み、5反(約50アール)で自家用や知人に譲る分を生産してもらっている。「最初は1反だったが引き合いが多く、5反お願いすることになった。(価格高騰の影響で)今年はさらにコメを欲しがる人が出ている」と打ち明ける。
日本一のコメどころの新潟県。生産者と消費者が近い関係にあることが、縁故米の多さにつながっているようだ。
◆縁故米は不明瞭な経理の原因に?県内農家の対応は
県内農家も、...
























