終戦から間もない1945(昭和20)年11月3日、後の県美術展覧会(県展)になる「第1回文化祭新潟美術展」が新潟市で開かれた。目指したのは、文化の力による戦後復興。歴代の審査員には、東山魁夷、加山又造、東郷青児ら、そうそうたるメンバーが名を連ね、レベルの高い公募展として全国的にも注目を集めた。以来、新潟大火の55年、新型ウイルス禍の2020年を除き開催を重ね、若手作家の登竜門として、新潟県の美術の発展に貢献してきた。県展80年の歩みを振り返る。

第1回文化祭新潟美術展の開催を伝える1945(昭和20)年11月4日付の新潟日報

 45年11月4日付の本紙に「果然、人気沸騰」の見出しが躍る。第1回の県展会場となった大和百貨店には、開催を待ちわびた観衆が開場1時間前から押し寄せた...

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