
最低賃金改定を巡る構図
2025年度の最低賃金改定論議は、政府が揺さぶりをかける構図が鮮明だった。政府は「20年代に1500円」の目標を強調。実現には29年度まで毎回7・3%アップが必要な計算で、大幅な人件費増にさらされる経営者側は反発した。引き上げの旗振り役となるはずの労働者側は陰に隠れ、存在感がかすんだ。
▽「根拠」
改定額の目安は国の審議会の小委員会で、労使の代表が意見を戦わせ、有識者の公益委員が調整役として妥当な水準を決めていくのが慣例だ。
しかし、ある関係者は今年の年頭、公益委員の1人から働きかけがあったことを証言する。「7%アップするための何か根拠はないか」。政府の意向をくみ、引き上げに導こうとする意図...
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