
長崎市での演説を終えた石破首相=7月
石破政権下で核軍縮に関する発信が減り「核兵器のない世界」に向けた推進力が大幅に低下している。唯一の戦争被爆国でありながら、核の脅威が強まり、米国による核抑止の「現実路線」を重視せざるを得ないとの考えが背景にある。核軍縮を主要政策とし、国際社会を主導しようとした岸田文雄前首相当時の意気込みは薄れつつある。
▽停滞感
「あの像を見るたび、いかに核の悲惨さ、戦争の愚かさを唱えているかを思ってきた」。7月、石破茂首相は長崎市での参院選遊説で、平和公園の平和祈念像に言及し「核戦争、核兵器のない世界をつくっていく」と力を込めた。
ただ、政権内で核軍縮の議論は深まらず、取り組みも進んでいない。
そうした「...
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