
石破首相と面会する被団協代表理事の田中聡司さん=6日午前、広島市中区
広島への原爆投下から80年となった。核の恐怖と廃絶を訴え続けた被爆者の活動は昨年、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞に結実した。だが、国際社会ではむしろ核の脅威が高まり、日本は唯一の戦争被爆国でありながら核抑止に依存を強める。非核の願いと乖離する現状にあらがい、歩みを止めない被爆者の声は世界に届くのか。
▽1ミリでも
青空が広がり、うだるような暑さの6日朝。広島市の平和記念式典に参列した被団協代表理事の田中聡司さん(81)の表情は厳しかった。「核保有国を1ミリでも動かさないと。生ぬるい平和活動では間に合わない」
平和賞は「核の脅威に警鐘を鳴らす」(ノーベル賞委員会のフリ...
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