
「すずつき」の中国領海侵入を巡る経過
海上自衛隊の護衛艦「すずつき」が昨年7月、中国から警告射撃を受けていた事実が明らかになった。中国側は領海に近づくすずつきに何度も進路変更を求めていたが、すずつきは領海に侵入。警告射撃を受けた後も領海での航行を継続した。原因は電子海図のスイッチを入れていなかったとの単純ミス。武力衝突の「一歩手前」(関係筋)までに至った状況を検証すると、当局間対話の停滞が安全保障の最前線に影響している現状が浮かび上がった。
▽怒声
「領海に近づかないでください。進路を変更しなさい」。昨年7月4日早朝、中国浙江省沖。中国軍艦がすずつきに対し、無線で領海に接近しないよう呼びかけを繰り返していた。ところが、すずつきは...
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