日航ジャンボ機墜落事故の現場=1985年8月13日、群馬県上野村の御巣鷹山
 日航ジャンボ機墜落事故の現場=1985年8月13日、群馬県上野村の御巣鷹山
 航空機の実物大模型を使い、脱出訓練をする日航の客室乗務員ら=2014年3月、羽田空港
 元運輸安全委員会統括航空事故調査官の楠原利行さん=2日、鹿児島市
 世界の定期航空の死亡事故発生状況

 1985年に日航ジャンボ機が墜落して以降、主に技術の進歩で航空事故の発生率は大きく下がった。一方、世界では乗客が犠牲になる事故がしばしば起き、根絶できない人的ミス、運航の担い手不足といった課題が国内外で山積する。教訓を心に刻んでいるはずの日航を含め、各社のパイロットに飲酒不祥事が続発し、規律の緩みを危ぶむ声もある。事故から40年たっても、空の安全の確立は道半ばだ。

 ▽740万分の1

 群馬県上野村の墜落現場で12日、遺族は「同じ事が二度とないように」と墓標に手を合わせた。

 航空業界は惨劇を教訓に、機体性能や整備技術を向上させてきた。国際民間航空機関(ICAO)によると、85年には世界で22件の...

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