政府間交渉委員会の終了後、記者会見する国連環境計画のアンダーセン事務局長=15日、スイス・ジュネーブ(共同)
 政府間交渉委員会の終了後、記者会見する国連環境計画のアンダーセン事務局長=15日、スイス・ジュネーブ(共同)
 プラスチック汚染による被害を訴えるフィジー政府関係者(右)=14日、スイス・ジュネーブ(共同)
 プラスチックでいっぱいになったフィリピン・リサール州のごみ処分場=2024年(ロイター=共同)

 プラスチック汚染防止に関する条約交渉は、合意に至らず会期を終えた。生産規制などを巡り、産油国や米国の反対姿勢が最後まで影響した。自国の利益を優先するトランプ政権の再来で、多国間の協調体制は動揺。プラスチックの生産・消費は今後も拡大する見込みで対策は急務となっているが、条約制定に向けた議論の出口は見えない。

 ▽回帰

 「状況は複雑だが、汚染は止まらない。まずは休息を取り、再び団結する時間を持つことが重要だ」。15日の全体会合の終了後、記者会見した国連環境計画(UNEP)のアンダーセン事務局長は疲れ切った表情で語った。

 最大の焦点、生産規制の導入に一貫して反対してきたのがサウジアラビアなど産油国だ...

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