阿部彩子さんが参加したIPCCワーキンググループの集合写真。前列左から2人目が阿部さん=2012年、モロッコ・マラケシュ(阿部さん提供)
 阿部彩子さんが参加したIPCCワーキンググループの集合写真。前列左から2人目が阿部さん=2012年、モロッコ・マラケシュ(阿部さん提供)
 執筆したIPCCの報告書について説明する古気候学者の阿部彩子さん=千葉県柏市

 阿部彩子さんは、世界各国が地球温暖化対策を実施する際に参照する「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書」(第5次、2014年)で古気候の章を執筆。これまでの歴史と比べ、最近数十年で地球全体の海面が異常な速さで上昇していることなどを指摘した。気候の仕組みは複雑で温暖化対策は難しいが「だからこそ今やらなければいけない」と強調する。

 気候の変化は徐々に移りゆくというよりは、状況の変化が積み重なり、ある時点で一気に気温が上がるような劇的な側面がある。そのような急激な変化が21~22世紀の間に起きるとの指摘もある。「過去にそのような変化があったのならどのように起きたのか、突き止める手伝いをして...

残り228文字(全文:528文字)