
患者役の人(手前)に模擬的に遺伝カウンセリングをする様子=兵庫県姫路市(姫路赤十字病院提供)
がんの中には、生まれつきの遺伝的な特徴が影響して発症する「遺伝性腫瘍」がある。この病気と診断された人の家族が、同じ遺伝的な特徴を持つかどうかを調べる検査やカウンセリングの費用を助成する自治体が出てきている。発症していない家族の検査は自費で高額なため、助成で費用負担を軽くして予防や早期発見に向けた経過観察につなげるのが狙いだ。
▽共有の可能性
国立がん研究センターによると、がん患者の5~10%程度は生まれつきがんを発症しやすい遺伝的な特徴がある。乳がんや卵巣がんを発症しやすい「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」や、大腸がんや子宮体がんのリスクが高い「リンチ症候群」がその例だ。原因となる遺伝的な...
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