2024年9月、自民党総裁選後に開かれた両院議員総会で握手する(左から)高市早苗氏、岸田首相、石破新総裁=東京・永田町の党本部
 2024年9月、自民党総裁選後に開かれた両院議員総会で握手する(左から)高市早苗氏、岸田首相、石破新総裁=東京・永田町の党本部
 5月、自民党本部で開かれた会合であいさつする麻生最高顧問。左は高市早苗氏=東京・永田町
 高市早苗研究

 9人が争った2024年の自民党総裁選で、高市早苗は上位2人の決選投票に残りながら首相石破茂に敗れた。党員・党友票を含む1回目の投票では首位に立ったものの、逆転を許す展開で、国会議員票16票の差が響いた。党内基盤の弱さを克服しようと、重鎮との距離を詰め、持論を抑制しながら、もがいた1年だった。(敬称略)

 ▽永遠の課題

 「俺も菅も、政権は1年で終わりだった。石破も長くないだろうから仲間づくりをしろ」

 前回の総裁選開票日の24年9月27日夜。党副総裁(当時)の麻生太郎は、僅差で石破に屈した後、事務所を訪ねてきた高市と向き合い、こう声をかけた。

 松下政経塾出身で、党内の派閥や議員グループを率いた経験...

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