首都圏外郭放水路の「第1立坑」に入り、恐る恐る下をのぞき込む見学会の参加者ら=埼玉県春日部市
 首都圏外郭放水路の「第1立坑」に入り、恐る恐る下をのぞき込む見学会の参加者ら=埼玉県春日部市

 暮らしを支える放水路やダムなどを観光資源として活用する「インフラツーリズム」が注目されている。巨大施設を見学できるツアーも各地で開催。土木技術の高さや防災上の役割も学べる機会として人気のようだ。

 「川の水の流入で水蒸気が発生しています」。埼玉県春日部市の地下にある、国の洪水対策施設「首都圏外郭放水路」の見学会。水を地下に取り込む「第1立坑」を作業用通路からのぞき込むと、はるか下の水面に薄くもやがかかっている。深さ約70メートル、内径約30メートル。ヘルメットとハーネスを着けた参加者は足をすくませながらもスマートフォンを片手に自撮りを楽しみ、案内役の防災コンシェルジュの話に耳を傾けていた。

 江...

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