イスラエル軍の空爆で、黒煙が上るパレスチナ自治区ガザ北部=9月、イスラエル南部スデロトから撮影
イスラエル軍の空爆で、黒煙が上るパレスチナ自治区ガザ北部=9月、イスラエル南部スデロトから撮影
イスラム組織ハマスが奇襲した野外音楽フェスティバルの会場で、犠牲者を悼むイスラエル兵=8月、イスラエル南部レイム
ヨルダン川西岸南部マサフェルヤッタで、武装したユダヤ人入植者(右)と対峙する平和活動家の女性=8月
入植者の襲撃で住む場所を追われ、洞窟で生活するパレスチナ人のムハンマド・アブアラムさん(右)。暗闇の中、穏やかな表情で息子を抱きしめた=8月、ヨルダン川西岸マサフェルヤッタ
ヨルダン川西岸マサフェルヤッタ。丘の上にはユダヤ人入植地が広がる。下はパレスチナ人の集落=8月
平和・人権活動を担うサラム・アドラさん=8月、ヨルダン川西岸マサフェルヤッタ
イスラエルのNGOが主催するパレスチナ人との交流プログラムに参加したリオラ・エリオンさん(右から2人目)=8月、ヨルダン川西岸マサフェルヤッタ
ハマスに息子を殺害されたリオラ・エリオンさん=9月、テルアビブ
エルサレムで発生したパレスチナ人による銃乱射の現場付近で、射殺された実行犯の血痕を眺めるユダヤ人の子どもたち=9月

 地中海に夕日が沈もうとしていた。9月、パレスチナ自治区ガザを目前に見下ろすイスラエルの丘に立った。境界まで1キロ弱。夕日の手前には、がれきと化したガザの街が黒く浮かび上がった。

 突然砲撃の音とともに、廃虚となったガザのビルから黒煙が上がった。イスラエル軍の空爆が始まったのだ。ドローンの音が頭上で鈍く響く。ヘリからは激しい銃弾が、撃ち込まれた。

 イスラム組織ハマスの急襲から10月7日で2年。トランプ米大統領によるガザ和平案を踏まえ、ハマスが生存している人質全員を解放、恒久停戦への期待が高まるが、和平への道のりは遠い。8月末~9月上旬、イスラエルとパレスチナを訪ね、目にした現状を報告する。(共同...

残り2475文字(全文:2775文字)