
イスラエル軍の空爆で、黒煙が上るパレスチナ自治区ガザ北部=9月、イスラエル南部スデロトから撮影
地中海に夕日が沈もうとしていた。9月、パレスチナ自治区ガザを目前に見下ろすイスラエルの丘に立った。境界まで1キロ弱。夕日の手前には、がれきと化したガザの街が黒く浮かび上がった。
突然砲撃の音とともに、廃虚となったガザのビルから黒煙が上がった。イスラエル軍の空爆が始まったのだ。ドローンの音が頭上で鈍く響く。ヘリからは激しい銃弾が、撃ち込まれた。
イスラム組織ハマスの急襲から10月7日で2年。トランプ米大統領によるガザ和平案を踏まえ、ハマスが生存している人質全員を解放、恒久停戦への期待が高まるが、和平への道のりは遠い。8月末~9月上旬、イスラエルとパレスチナを訪ね、目にした現状を報告する。(共同...
残り2475文字(全文:2775文字)