左から届け出順に諸派新人の遠藤弘樹氏、NHK党新人の越智寛之氏、立憲民主党現職の森裕子氏、自民党新人の小林一大氏
左から届け出順に諸派新人の遠藤弘樹氏、NHK党新人の越智寛之氏、立憲民主党現職の森裕子氏、自民党新人の小林一大氏

 7月10日投開票の参院選で、ウクライナ危機や円安進行を背景とした安全保障政策、物価高対策が大きな争点となっている。原発・エネルギー政策や人口減少、農業など新潟県とも密接に関わる重要課題を含め、新潟選挙区(改選数1)の4人の候補者の主張を争点ごとにまとめる。初回は安全保障。自民党は防衛費について、国内総生産(GDP)比2%以上を念頭に置いた増額を公約に掲げる。立憲民主党は総額ありきではなく、めりはりをつけた予算で質的な向上を目指すと訴える。

◆軍備強化は緊張高める 森裕子氏=立憲民主・現=

 国防について「自分たちの国は自分たちで守る。この気概で国民の命を守る防衛体制を築くのが重要だ」と街頭演説などで訴える。

 目指すべき外交の姿を「平和国家として歩んできた日本に期待されているのは、プーチンに壊された世界の平和秩序を再構築することだ」と主張。唯一の核被爆国として、核なき世界を目指して「日本こそがリーダシップを取るべきだ」と強調する。

 国防予算の国内総生産(GDP)比2%以上を念頭に置いた自民党の公約を批判。「日本の防衛費は少なくはない。軍備を強化すれば緊張も高まり、軍拡競争につながる。安全保障のジレンマに陥らないよう注意が必要だ」と述べる。

 防衛予算に関する立民の党公約は、総額ありきではなく、「めりはりをつけて防衛力の質的向上を図る」とする。ロシアのウクライナ侵攻では、ウクライナ側の兵器として「ドローンなどが使用されたが(日本では)全然導入されていない」と指摘。政府が配備を断念した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」などを引き合いに「相当無駄遣いをした。装備品の総点検を求める要望が寄せられている」と語った。

◆有事対処力の強化必須 小林一大氏=自民・新=

 街頭演説などで、毅然(きぜん)とした外交と防衛力の抜本的な強化で、国民の生命と財産を守れるのは自民、公明両党による連立政権だけだと強調。ウクライナ侵攻というロシアの「暴挙」で、「平和はいとも簡単に崩れ去る」「絶対に戦争をしてはいけない」と改めて認識したからこそ、タブーなく安全保障の議論を進めるべきだと訴える。

 ロシアに加え、中国は「不透明に」軍事費を拡大、北朝鮮はミサイル発射を繰り返すなど、日本を取り巻く安全保障環境は緊迫度を増していると指摘。その上で「必要な抑止力、有事への対処力の強化は必須だ」とみる。憲法9条に基づく専守防衛の原則を揺るがしかねないとの懸念がある「反撃能力」についても、自民党の公約通り「必要だ」との立場だ。

 党公約は、5年以内の防衛力強化を掲げ、国防予算の国内総生産(GDP)比2%以上を視野に入れる。小林氏は予算の数値目標にこだわらず、「真に必要な防衛費の積み上げで、自国防衛の意思をしっかりと示すべきだ」とする。

 米国との「核共有」の議論については「それ以前に必要なことは何か議論すべきだ」と慎重姿勢だ。

青と黄色のウクライナカラーで照らされた長生橋=長岡市

▽防衛費増は議論が必要 遠藤弘樹氏=諸派・新=

 中国の軍事力は日本の数倍で、この状態では対等な話し合いは難しい。ただ、防衛費増大には国民的な議論が必要だ。日本の水源地や観光地などが外国資本に買収されている。外国資本が日本企業の大株主となり、本来日本人の給料となるべき金が配当金として外国に流れるケースもある。子どもたちが安心して暮らせる未来のため、外国からどう国益を守るか一人一人が考える必要がある。

▽現在の予算で対応可能 越智寛之氏=NHK党・新=

 尖閣(諸島周辺)で領海侵犯されている。きちんと相手に分かる形でノーを突きつけないと、いずれは上陸されたり、実効支配されたりするのではないかという心配はある。そこは政治家が腹をくくらないといけない。ただそれは今の軍事予算でできると思う。日本は少し前まで西側第2の軍事大国と言われていた。軍事費を国内総生産(GDP)比で増やせば安心なのかというと疑問を感じる。