液状化で住宅被害が広範囲に及んだ新潟市西区善久。路上に噴出した砂は片付いていたが、今も電柱が傾いたままの通りもある=3月13日(新潟日報社の小型無人機から撮影)
液状化で住宅被害が広範囲に及んだ新潟市西区善久。路上に噴出した砂は片付いていたが、今も電柱が傾いたままの通りもある=3月13日(新潟日報社の小型無人機から撮影)

 新潟日報社は、能登半島地震で液状化現象水分を多く含んだ砂質の地盤が、地震による強い揺れで液体のように流動化する現象。地表に水や砂が噴出したり、地盤が沈下したりする。土管やマンホールが浮き上がることもある。埋め立て地や干拓地など、緩い砂質で地下水位が高い場所で起こりやすい。条件を満たせば内陸でも発生する。1964年の新潟地震では橋や鉄筋コンクリートの建物といった大型構造物が崩れ、対策工法の開発が進むきっかけになった。阪神大震災や東日本大震災でも発生した。の被害が目立った新潟市西区の寺尾、黒埼両地区で独自に住宅被害調査を行い3月13日、結果をまとめた。目視により調査した住宅約1300棟のうち、少なくとも300棟で建物が傾いたり外壁に亀裂が入ったりする被害があった。自宅敷地に面した道路が陥没・隆起している住宅は全体の約半数に上った。地震発生から約2カ月がたってもなお、「傾いた家をどう直したらいいのか」「復旧のめどが立たない」と嘆く住民が多く、再建への道のりの険しさが浮き彫りになった。

 調査は、...

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