
佐渡金銀山の世界遺産登録を目指し、新潟商工会議所が作った金塊形ティッシュ(右奥)、小判形入浴剤(右手前)などのオリジナルグッズ=新潟市中央区
世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録を目指す「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」(新潟県佐渡市)。6月初めまでに、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)が登録すべきかどうかを勧告し、7月下旬にインドで開かれる世界遺産委員会で登録の可否が審議される。登録に向けては、新潟県内を盛り上げようと、子どもたちへの教育や企業による地域貢献も進められてきた。「佐渡を世界遺産に」を合言葉にした取り組みを振り返る。(2回続きの2)
新潟県内43店を展開する県信用組合(新潟市中央区)では、職員が「佐渡を世界遺産に」と書かれたバッジを胸に着け、佐渡金山をPRするポスターが来店者を迎える。
2年前からは「佐渡世界遺産応援」を掲げた金融商品を新潟県全域で販売し、実績に応じて県と佐渡市に寄付。佐渡の2支店では、登録後を見据え島内の飲食店を紹介するパンフレットも製作し、全店に置いているほか、組合のホームページなどで県内外に発信している。
「佐渡の...
残り1145文字(全文:1603文字)