
優良認定を受けた「えちごせきかわ 大したもん蛇まつり」=8月25日、関川村上関
災害の教訓を伝える地域活動などについて、政府が認定する「NIPPON防災資産政府が新設した認定制度。第1弾として新潟県を含む19道府県から22件を選んだ。このうち優良認定は11件、認定は11件。各地の「流域治水協議会」などを通じて候補を募り、有識者が140件を審査した。有効期間は4年。」に、新潟県関川村の「えきごせきかわ 大したもん蛇まつり」が選ばれた。大したもん蛇まつりが特に優れた「優良認定」となった一方、新潟県燕市の信濃川大河津資料館に関わる取り組みも優良に次ぐ「認定」に選出された。郷土の歴史を次代につなぐ取り組みに努めてきた関係者は、今後の活動に意欲を見せている。
◆大蛇の重さは思いの重さ…関川村・大したもん蛇まつり「優良認定」
優良認定の一つに選ばれた関川村の「えちごせきかわ 大したもん蛇まつり」は、1967年の羽越水害を伝承する取り組みだ。シンボルの大蛇の長さが水害の発生日にちなんでおり、村の中学生がまつりの意義を学んだ上で参加することなどが評価された。
まつりは1988年に始まった。パレードで担ぐ大蛇は村内の全54集落が分担して竹とわらで作ったもの。羽越水害が発生した8月28日にちなみ、82・8メートルもの長さだ。
まつりを発案した須貝正春さん(71)は「水害を忘れないという意味だけでなく、自然と共存し、環境を守って生きることを伝えたかった」と振り返る。その上で「長く続けてきた村民への評価だと思う」と語った。
関川中学校では、例年1年生がまつりの意義を学び、大蛇を担ぐパレードは学校行事として全員が参加する。高齢化などで担ぎ手不足が課題の中で生徒が果たす役割は大きい。3年の男子生徒(15)は「大蛇の重さは込められた思いの重さ。後世に伝えて水害への対策も続けなければいけない」と力を込めた。
NIPPON防災資産の...
残り1110文字(全文:1746文字)