
東日本大震災についてインタビューに応じる羽生結弦さん
東日本大震災2011年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源にマグニチュード(M)9.0の地震が発生し、最大震度7を観測。東北地方を中心に大津波が発生した。東京電力福島第1原発は電源を喪失して炉心溶融(メルトダウン)が起き、原子炉建屋が水素爆発で損壊、大量の放射性物質が拡散した。震災関連死を含む死者、行方不明者は計2万2千人超。の発生から3月11日で14年。フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇の羽生結弦さん(30)は、被災地支援の広告塔になることを「スケート人生の使命の一つ」と意義付けてきた。10日に出身地の仙台市で共同通信のインタビューに応じ「解決できていない問題がまだまだ残っている。(被災者に)ずっと寄り添い、発信し続けたい」と胸中を語った。
宮城・東北高1年だった羽生さんは仙台市内のリンクで練習中に被災。自宅は全壊判定を受け、避難所生活も経験した。「あの頃の光景、あの時感じた怖さは昨日のように思い出せる」と明かす。初めて金メダルに輝いた2014年ソチ五輪以降は「部外者が足を踏み入れていいのか」と葛藤を抱えながらも被災地を訪れ、宮城県石巻市などで住民と交流を図った。「いまだに家に帰れていない方も、心に傷が残ったままの方もいる」と思いを寄せ続けている。
復興支援の活動は地元にとどまらない。...
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