駅西住宅の前に立つ浜田昌良さん=福島県双葉町
駅西住宅の前に立つ浜田昌良さん=福島県双葉町

 2度にわたり計5年近く復興副大臣を務めた元参院議員の浜田昌良さん(68)が、東京電力福島第1原発が立地する福島県双葉町で暮らしている。移住して2年半。気づいたのは「心の復興には時間がかかる」ということだ。親しい人を亡くしたり、避難を余儀なくしたりした悲しみは長く残る。ハード偏重だった国の復興政策への自戒も込め、住民に寄り添い、復興を見届ける決意だ。

 大阪市出身。経済産業省職員を経て、2004年に参院議員として初当選。東日本大震災2011年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源にマグニチュード(M)9.0の地震が発生し、最大震度7を観測。東北地方を中心に大津波が発生した。東京電力福島第1原発は電源を喪失して炉心溶融(メルトダウン)が起き、原子炉建屋が水素爆発で損壊、大量の放射性物質が拡散した。震災関連死を含む死者、行方不明者は計2万2千人超。直後から福島の被災者と関わり、副大臣時代は福島市に単身で住んで対応に当たった。

 当初、国の復興政策や事故後の対応を巡り、被災自治体と復興庁との関係は「厳しい状態」だっ...

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