上野で製造する主な商品。自社のほか、県内外のスーパーやオンラインなどで販売している
上野で製造する主な商品。自社のほか、県内外のスーパーやオンラインなどで販売している

 新潟市西区の食品製造業「上野」は、添加物の使用を控え、県産や国産の素材で手間を惜しまず作る味付けこんにゃく、寒天などが人気だ。「安心・安全に食べられるおいしい食品作り」を通じ、地域への貢献を目指している。

 上野は1892(明治25)年、柿の渋抜きを行う業者として創業した。収入が秋、冬に集中するため、ところてんやこんにゃくなど、他の季節も収入が見込める商品を増やしていった。

 同社の経営に欠かせないのがこんにゃくだ。60年ほど前、上野博久社長(43)の父で4代目の一久さん(故人)が他社で修業し、製法を習得した。

 小売店には他社製品が多く並んでいたため、「父は小売店に何度も通い、信用を得たようだ」と上野社長。徐々に認知され、大手コンビニエンスストアのおでんの具材に採用された時期もある。近年は、より手軽に食べられる味付けこんにゃくが主力となった。

 大手メーカーの多くが...

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