関西電力美浜原発。手前から3号機、2号機、1号機=3月、福井県美浜町
 関西電力美浜原発。手前から3号機、2号機、1号機=3月、福井県美浜町
 関西電力美浜原発。手前から3号機、2号機、1号機=3月、福井県美浜町
 福井県美浜町の海水浴場から望む関西電力美浜原発=22日
 1970年、大阪万博の会場で関西電力美浜原発1号機からの試送電を伝える電光掲示板(関西電力提供)
 美浜原発を巡る経過
 福井県美浜町、関西電力美浜原発

 関西電力が福井県の美浜原発での新たな原発建設に向け、地質調査の再開を表明した。原発新設の動きが具体化するのは2011年の東京電力福島第1原発事故後初めて。地元の美浜町では歓迎ムードが広がるが、安全性への懸念や、使用済み燃料搬出問題などへの不安の声は埋もれがちだ。原発事故の影響になお苦しむ福島県の住民は「事故の痛みを忘れたのか」と問いかける。

 ▽自負

 1970年11月、関電初の原発となる美浜原発1号機が、加圧水型軽水炉として国内初の営業運転を開始。先立つ8月には「原子の灯」として大阪万博の会場に電気を届けた。一方、2004年に同3号機で配管が破裂し、噴出した高温の蒸気で11人が死傷する事故が発...

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